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スーパーカブの歴史やスペック、中古相場まで徹底解説|買いたい新書

スーパーカブの歴史やスペック、中古相場まで徹底解説|買いたい新書

「日本人が本当にほしかったバイク」

街中で誰もが見かける「あの形のバイク」がホンダのスーパーカブです。

今回の記事では累計製造台数1億台のギネス記録を持つスーパーカブの魅力と、1958年から現在まで続く歴史を解説していきます。

この記事が読み終わるころには「カブなんてただの下駄バイクでしょ」というイメージが払拭されるかもしれませんよ。

中古相場や歴史や評判なども解説していきますのでぜひ最後までご覧ください。

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スーパーカブとは?

スーパーカブとは1958年式スーパーカブC100をルーツとして、2023年2月現在まで脈々と思想が受け継がれている小型シティコミューターです。

軽量かつシンプルな構造を持ち、低燃費・耐久性・使いやすさが特徴で、世界中で広く愛されています。特にアジア地域では、交通手段として広く普及しており様々な用途に使われています。

また各国での現地生産も進んでおり、現在では約150か国以上で販売されています。

これから「なぜスーパーカブは世界中で愛されているのか」をお伝えしていきます。

多彩な魅力を持つシティコミューター

▲1958年 スーパーカブC100

スーパーカブにはデザイン性、ヒストリー性、実用性、先進性など多くの魅力が詰まっています。

バイクが金属の塊でできているのがあたりまえの時代に発売されたスーパーカブC100は、プラスチック製のレッグシールドや斬新な車体がかっこいいと評判でした。

その後大きく形を変えないまま、2018年にネオクラシック要素を取り入れた新しいコンセプトへと進化。昔も今もファッション性が認められたバイクなのです。

2018年 スーパーカブC125▼

実用面では耐久性と燃費が特に優れているのはご存じの通りで、歴代最強の燃費リッター180kmをたたき出したモデルまであります。

さらにエコカーレースで使われているカブのエンジンでは、リッター3644kmという驚愕の記録まで…!

価格もリーズナブルなので、スーパーカブは「誰にとっても身近に感じられる」ところも秀逸なモデルです。

これほど多くの魅力を兼ね備えているバイクは世界中探してもほかにはありません。

累計1億台販売のギネス記録を達成

引用元:https://young-machine.com/2017/10/20/2735/

世界中で生産され続けた結果、2017年10月に単独車種で累計販売台数1億台を突破しました。当然世界1位で現在も記録を塗り替え続けています。

2017年第45回東京モーターショーに出展された生産台数1億台記念モデル▼

さらに1億台には別の意味もあり「ホンダが設立されてから生産台数1億台目の記念モデル」もスーパーカブなのです。

つまりスーパーカブが持っている「1億台記念の称号」には2つの意味があります。

  • 単独車種で累計生産台数1億台(2017年10月)
  • ホンダのバイク製造台数1億台目の記念車種(1997年10月)

カブ以外にもCBなど有名なバイクが多数あるのにも関わらず、記念すべき1億台目はカブの派生モデルのリトルカブが選ばれました▼

引用元:https://ameblo.jp/txwxj0234/entry-12501751184.html

バイク生産1億台目の記念モデルをあえて50ccにしたところが、ホンダで最も大事にされているのがスーパーカブである証ですね。

世界中に専用モデルが設定

スーパーカブは日本国内でも知らない人はいないレベルで有名ですが、世界規模での知名度は日本国内以上です。

カブが存在する国は約150国以上で北はアラスカ、カナダ、スウェーデン、南はアルゼンチン、南アフリカまで多岐にわたります。

それぞれの国の文化に合わせた形に進化したものや、国家事業の郵便配達のバイクに採用されるモデルなど世界各国で様々な形のカブが走り続けています。

1962年にアメリカに初挑戦したモデルや、2005年にオーストラリアの国営郵便バイクに採用されたモデルまで様々です。世界で活躍している多様なカブを知ればさらに魅力に取りつかれてしまうでしょう。

アメリカ→東南アジア→その他の国の順番で紹介していきます。

アメリカ向けのスーパーカブ

1962年 スーパーカブCA100▼

C100をベースとしたアメリカ仕様で、2人乗りを考慮してロングシートとタンデムステップが採用されています。

またイメージを変えるカスタムキットパーツも多数販売して、カスタム好きなアメリカ人の心をつかみました。

特に魅力的なキットパーツを3つ紹介します。

1963年 スーパーカブC102ロードスター(キットパーツ)▼

ニーグリップラバー付きのタンクカバーを装着。

1963年 スーパーカブC105スチューデント(キットパーツ)▼

ウイングマークが装着されたレッグカバーが特徴で、専用のエンジンシリンダーカバーやサイドカバーで構成されています。

1967年 スーパーカブC102ラリー(キットパーツ)▼

レーシーなロングタンクカバーとシート、サイドカバー、パイプハンドル、短めのフロントフェンダーなどが特徴です。

1963年 CA105Tトレイル55▼

チェーンを掛け替えることで2次減速比を変更できるダブルスプロケットやブロックタイヤを装備し、高い走破性能を実現したモデル。

東南アジア向けのスーパーカブ

1989年 EX-5(マレーシア)▼

エンジンは97.2ccでミッションはトップがオーバードライブレシオの4速仕様。

フロントにはテレスコピックサスペンションを採用しています。

独自の装備としては、レッグシールド内のキャリアがポイントですね。

1990年 SMILE(アセアン)▼

105ccの2ストロークエンジンを搭載した珍しいモデル。 17インチタイヤを履くアンダーボーンフレームのモーターサイクルで、「ザ・アジア」な雰囲気ですね。

2000年 FUTURE(ベトナム)▼

デュアルヘッドライトとエアロダイナミクスを追求した外装を装備しつつ、中身は経済的な4ストロークエンジンと自動遠心クラッチを採用したスタイリッシュなカブです。

2002年 XRM110(フィリピン)▼

まるでオフロード車と思わせる設計で名車「XR」の文字を冠したカブです。

特徴は見た目通りに個性的です。

  • 車体色メーターバイザー
  • タンクシュラウドを彷彿とさせるカバー
  • 大きなフロントフェンダー、ナックルガード
  • フロントフォーク
  • ブロックタイヤ(サイズは前後2.50-17)
  • ディスクブレーキ

カブシリーズの中で特に異色なモデルだといえますね。

その他の国向けのスーパーカブ

1963年 C310(ベルギー)▼

足漕ぎペダル付きのモペッドという異色のモデル。発売当時ヨーロッパでは80%がモペッドだったのでこのスタイルになりました。

現地の生活に密着して柔軟に変化する好例ですね。タンクのデザインと取り付け方が日本のカブと違っていて興味深いポイントです。

1998年 C110Biz(ブラジル)▼

  • カブとしては異例の前後異径サイズのタイヤ(前17インチ後14インチ)
  • シート下に最大10kgまでのラゲッジスペースを確保
  • 流麗なボディカバー
  • 4速ミッション
  • 100ccエンジンを搭載

カブとスクーターとのハイブリッドのようなスタイリングが特徴です。

2005年 CT110ポストオフィス(オーストラリア)▼

オーストラリアの郵便事業を担う国営企業向けの郵便配達バイクに採用されたスーパーカブ。

北米向けのレジャーバイクCT110がベースで、配達のために大型バスケットやバッグを装備しています。

国営企業に採用されたことは、海外でも信頼性が高い証拠ですね。

スーパーカブの新車価格とスペック

(スペックは2022年式スーパーカブ50のもの)

型式2BH-AA09
メーカー希望小売価格(税込)247,500
カラーバージンベージュ
全長(mm)1860
全幅(mm)695
全高(mm)1040
シート高(mm)735
車両重量(kg)96
総排気量(cc)49
最高出力3.7PS/7,500rpm
最大トルク0.39kgf・m/5,500rpm
エンジン形式空冷・4ストローク・単気筒・SOHC
燃費105.0km/l(30km走行時)、69.4km/l(WMTCモード値)
燃料供給方式フューエルインジェクション
燃料タンク容量(L)4.3

スーパーカブの中古相場

ここからはWシリーズの中古相場についてお伝えしていきます。

全てのシリーズを紹介してると大変なことになるので、今回は5つの車種に絞って見ていきますね。

スーパーカブC100の中古相場

スーパーカブC125の中古相場

スーパーカブ110の中古相場

スーパーカブ50の中古相場

リトルカブの中古相場

購入の候補になりやすい種類と根強い人気のリトルカブの中古相場を載せました。

全体を通して2023年に入ってから少し相場が下がっている印象ですね。

半導体不足が徐々に解消されてきて、中古バイクの価格が値下がりしてきてるので、購入を検討してた人はチャンスでしょう。

逆に売却を考えていた人は今後もジワジワ相場が下がっていく可能性があるので、タイミングを逃さないようにしたいですね。

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スーパーカブのカスタム

▲タイの有名ショップが手掛けたカブのフルカスタム事例 引用元:https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1812/18/news116.html

ここからはスーパーカブのおすすめなカスタマイズを紹介していきます。

スーパーカブはバイクの使い方によって、快適さをアップさせるカスタムをするのがおすすめです。

今回は最近流行りのキャンプツーリングに適したカスタマイズを紹介します。

スーパーカブの代表的なカスタム事例

▲キャンプツーリング向き積載カスタム事例 引用元:https://www.northwing-jc.com/2015/09/cub-loading-capacity/ スーパーカブは最初から運転が楽に操作できる設計がされていますので、走行中にはほとんど不満が出ないはずです。

そのため積載力をアップさせるカスタムがおすすめ。

ツーリングは行きよりも帰りのほうが荷物が増える傾向があるので、積載力を上げればお土産など安心して買えるようになりますよ。

スーパーカブの代表的なカスタムパーツ

ここからはパーツごとにおすすめのカスタムパーツを紹介していきます。

エンデュランス製 リアキャリア スーパーカブC125(希望小売価格 税込19,580円)

引用元:https://endurance-parts.com/EJ800K0GA1

スーパーカブC125用のエンデュランス製の大型リアキャリアです。

純正品と交換することでキャリアを大型化することが可能で、積載量を大幅にアップさせられます▼ 引用元:https://endurance-parts.com/EJ800K0GA1

さらにホンダ純正オプションのタンデムシートを取り付けることも可能です▼ 引用元:https://endurance-parts.com/EJ800K0GA1

荷物を積んで良し、2人乗りして良しの優れた製品だと言えるのではないでしょうか。

キジマ バッグサポート ブラック 左右セット カブ50 カブ110用(希望小売価格 税込7,805円)

引用元:https://www.tk-kijima.co.jp/

適合車種 ■ 2018年スーパーカブ50/110(2BH-AA09/2BJ-JA44) ■ 2018年クロスカブ50/110(2BH-AA06/2BJ-JA45)

2018年以降のスーパーカブ50と110用のサイドバッグサポート左右セットです。

サイドバッグ装着時、タイヤへの巻き込みリスクを軽減しバッグ装着安定度が向上します。 サイドバックの装着例▼ 引用元:https://www.tk-kijima.co.jp/

これならリアタイヤに荷物が巻き込まれないので、安定感が全然違いますよね。

スーパーカブの歴史

スーパーカブの歴史は長く、初代1958年スーパーカブC100からは65年以上のモデルライフがあります。 さらに「カブ」と名前が付いたのは1952年のカブF型からで、カブには70年以上の歴史があるともいえます。

ここからはカブF型から現行モデルまでの歴史を解説していきます。

本記事ではスーパーカブの進化を分かりやすくするために世代を1〜8に分けています。

  1. [第1世代]1958年 スーパーカブC100
  2. [第2世代]1966年 スーパーカブC50/C70/C90
  3. [第3世代]1978年 スーパーカブC50/C70/C90
  4. [第4世代]1981年 スーパーカブ50/70/90
  5. [第5世代]2007年 スーパーカブ50/110
  6. [第6世代]2012年 スーパーカブ50/110
  7. [第7世代]2017年 スーパーカブ50/110
  8. [第8世代]2018年 スーパーカブC125

また記事の後半では、

  • 海外で始まっているスーパーカブの電動化の話題
  • 海外で活躍しているカブの解説
  • カブを買いたい人におすすめモデルを紹介

などをしていますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

[カブの前身] 1952年 カブF型 [最初は文字通り原動機付自転車]

▲1953年式 カブF型2型

1946年に創業したホンダは最初はただの部品組立屋で、旧日本軍の無線機用発電エンジンを仕入れて改造して売る程度の規模でした。

初めに作ったバイクは自転車にエンジンをつけた通称パタパタ▼

戦後復興で需要が増してきたため、エンジンから自社で作って自転車に乗せたモデルがA型▼

今から考えればこんなところにエンジンや排気管があれば、やけどをしたりオイルで服が汚れてしまうのは当然ですね。しかもエンジンは2ストロークでしたのでオイル汚れが特に深刻でした。

当時はA型に似たようなエンジン付き自転車が多くありましたが、問題を解決しているものはありません。

そこでホンダはやけどや汚れを解決したカブF型を1952年に発売して大ヒット!

エンジンやガソリンタンクをすべてリアタイヤ部分に設置できる設計で、やけど、オイル汚れ、においなどすべての弱点を克服しました。

白いタンクに赤いエンジンが目印のカブF型は空前の大ヒットで、当時異例の月産1万台を記録します。

バイクよりもコンパクトな「後付けエンジンのみの販売」だったので、「段ボール」で発送が可能だったこともヒットの要因でした。▼ 引用元:https://car.motor-fan.jp/article/10006923

ちなみにカブとは「猛獣の子供」の意味で、小さくても獰猛でパワフルだとアピールするためのネーミングです。

F型は大ヒットしてライバルから追われる立場になり、さらに進化する必要が出たため「スーパーカブ」が生まれることになります。 

[第1世代] 1958年 スーパーカブC100 [バイク全体をオリジナル生産開始]

カブF型で成功したホンダでしたが、戦後の復興時代で鼻息が荒いライバル車に追従されていてまだまだ安泰ではありません。

ホンダが次に打った手は「日本に長く根付くコミューター」をコンセプトにしたバイクでした。

本田宗一郎がヨーロッパを視察して「これからのバイクは市民の足。つまりコミューターだ」と感銘を受けて作られたバイクがスーパーカブC100です。

「日本向きのコミューターとは、そば屋が片手で運転できるバイクだ」と考え設計されました。

1958年式 初代スーパーカブC100▼

スーパーカブC100の主な特徴
  • カブF型では2ストだったエンジンを4ストで新設計
  • 燃費が良いのに4,5馬力のハイパワー
  • 当時55,000円とライバル車より強気の価格
  • プラスチック製のレッグカバー
  • ほかにはない新しいデザイン
  • 遠心クラッチを採用し片手運転可能

「配達時にそばを持ちながら片手で運転できるバイク」がコンセプトのため、左側のクラッチレバーはありません。

高コストの車体は大量生産でカバー

車体ごとすべてフルオリジナルで作られたスーパーカブC100は、特注部品ばかりの設計になってしまいました。

  • 特別なタイヤサイズ
  • 特注のスパークプラグ
  • ほかよりも高い車体価格

普通は採算が取れないと考えますが、ホンダのブレインこと藤沢氏は「月に3万台売れば元が取れる」と強気の経営方針でGOサインを出します。

当時は全メーカーの総生産台数が3万台だった時代なのですが、売れなければ即倒産の賭けは結果的に成功しました。

「速くて燃費が良くて壊れないし、スタイリッシュでかっこ良い」と大ヒットで生産が追い付かないほど。

ホンダ社内でも誰も信じなかった月産3万台の目標を達成し、さらに増産体制を整えます。

スーパーカブC100は海外にも進出し、特にアメリカでの成功がホンダの知名度を世界レベルに押し上げました。

第1世代の派生モデル

1960年 スーパーカブC102▼

当時要望が多かったセルモーターを搭載したモデル。

1960年 スポーツカブC110▼

若者向けのモデルでエンジンをチューニングして5馬力までパワーアップ。今からでも売れそうなデザインが秀逸ですね。

1962年 CR110カブレーシング(公道仕様)▼

スポーツカブC110をレーサー化したCR110カブレーシングの公道走行バージョン。

実用バイクのカブがここまでレーシーなモデルに進化するのが、レースで知名度を高めたホンダらしいといえるのではないでしょうか。

1964年 スーパーカブCM90▼

90ccのエンジンを搭載した最上位モデルです。

[第2世代] 1966年 スーパーカブC50/C70/C90 [スーパーカブのイメージリーダー]

▲1966年 スーパーカブC50

スーパーカブC100の大ヒットで知名度を得たホンダは、さらなる性能アップのために新型エンジンを開発します。

  • SOHCの新型エンジンで4.8馬力までパワーアップ
  • 2輪車初となるポジションライト採用
  • 当時異例の2年間5万km走行保証

2世代目のスーパーカブはほぼ完成しており、多くの人が考えるスーパーカブのイメージはこの2世代モデル以降のものとなっています。

自動カムチェーンテンショナーやオイルポンプなどを新たに採用したことによりさらに耐久性が向上。

「オイルがなくても走るサラダ油でも走る」という圧倒的な耐久性のイメージはこのモデルから生まれたのです。

他社を寄せ付けない完成度で、1967年4月に世界初の累計販売台数500万台を突破したモデルでもあります。

第2世代の派生モデル

1968年 CT50▼

アメリカ専用モデルC105Hの日本版で副変速機付きのレアモデル。C105HのHはハンターカブの頭文字です。

1971年 スーパーカブデラックスC50▼

ボディと別体だったガソリンタンクが内蔵式となったデラックスグレード。鋼板プレスの一体型ボディが特徴です。

[第3世代] 1978年 スーパーカブC50/C70/C90 [騒音規制に対応]

▲1978年 スーパーカブC50

騒音規制が厳しくなり対応するためにモデルチェンジされました。主な変更点は下記のとおりです。

  • マフラーがモナカ合わせタイプからメガホンタイプに変更
  • 行灯ポジションライトが廃止
  • ミッションパターンをボトムニュートラルに変更

次の世代で車名から「C」がなくなってしまうので、スーパーカブC50としては最後のモデルになります。

[第4世代] 1981年 スーパーカブ50/70/90 [3兄弟体制になり車名のC廃止]

▲1981年 スーパーカブ50

第3世代まではスーパーカブ90だけ別のエンジンと車体を使用していましたが、この第4世代からは共通のボディとなり3兄弟体制が整います。

そのため車名から「C]の文字が消えて新体制になったことをアピールしています。

この世代は超高燃費を叩き出す特別モデル、特別な外装を付けたモトラ、赤カブなど魅力的なモデルが多く発売されて20年以上続いた世代です。

第4世代中の変更点は下記の通り

  • 1986年 電装系が6V→12Vに変更しハロゲンライト化
  • 1998年 スーパーカブ70が廃止
  • 1999年 排ガス規制対応で0.5馬力ダウン

第4世代の派生モデル

1981年 CT110▼

スーパーカブ90をベースにして105ccまでボアアップしたモデル。副変速機は採用されませんでした。

1982年 スーパーカブ50スーパーデラックス(赤カブ)▼

ハイパワーで好燃費を売りにした特別カラーモデルでマニアからは「赤カブ」と呼ばれます。

スーパーカブ50史上最強となる5.5PSの出力と、リッター150kmの低燃費を実現。

1983年 スーパーカブ50スーパーカスタム▼

1982年のスーパーカブ50スーパーデラックスから0.5馬力下げた代わりに、さらに燃費を伸ばしたスペシャルなエコモデル。

燃費は驚愕のリッター180kmで、原付としては後にも先にも最強モデルです。

1993年 CUBRA(カブラ)▼

正式なラインナップではなく、ホンダアクセスから発売されていたオプションパーツを装着したモデル。 スクーターとも小型クルーザーとも感じられる個性的なルックスが魅力的なデザインですね。

1997年 リトルカブ▼

14インチホイールを履き全体的にコンパクト&カジュアルになったモデルです。

ターゲットは若者で「働くバイク」から「お洒落を楽しむバイク」へイメージを変えることに成功。

ただのオシャレバイクではなくホンダのバイク生産1億台目の記念モデルに選ばれた、ホンダとしてはかなり力を入れていた車種でもあります。

[第5世代] 2007年 スーパーカブ50/110 [生産体制のグローバル化]

▲2007年 スーパーカブ50カスタム

第5世代の変更点は下記の通り。

  • フューエルインジェクションを採用
  • エキゾーストパイプ内にキャタライザーを装備し排ガス規制に対応
  • 90が廃止になり、50と110の2モデル展開に

上位機種が110ccという中途半端な排気量になったのは、アジア向けのカブがベースになっていることが理由です。

50と110の立ち位置の違いをわかりやすく言うと、 ■ 50は純国産 ■ 110はアジアと国産のハイブリッド のような設計になっています。

50は部品製造組立をすべて日本国内で行うのに対して、110は部品の6割をタイから逆輸入し組み立てを日本で行う製造方法を採用しました。

110はグローバルモデルにすればコストを下げられますが、50は日本でしか通用しないのでグローバル化ができないことが生産方式が違う理由です。

しかしコスト的に不利になっても日本向けの50を生産し続けるところに、ホンダのカブに対する愛を感じますね。

第5世代の派生モデル

2008年 リトルカブ50周年スペシャル▼

スーパーカブ誕生50周年を記念したメモリアルモデルで受注生産のみ。50に合わせてリトルカブもインジェクション化されました。

2009年 スーパーカブ110PRO▼

新聞配達用のプレスカブがPROの名前で通常ラインナップに追加。 ちなみに50cc版PROは2012年9月に追加されます。

[第6世代] 2012年 スーパーカブ50/110 [バイクトップメーカーの英断]

▲2012年 スーパーカブ110

第6世代からは装備を充実させながらもリーズナブルな価格を目指し、生産拠点を中国に変更します。

第6世代の変更点は下記の通り。

  • 丸目のライトから角のとれたスクエアヘッドライトに変更
  • 発進と変速でそれぞれ独立したクラッチ機構を備えた2段クラッチシステムを採用

生産拠点を中国に変更したのはコスト削減のためだけではなく、中国のコピー商品の問題の解決のためでした。

中国では版権の認識が緩く、知名度の高いスーパーカブはコピー製品が横行していました。

取り締まりや訴えを起こしてもいたちごっこで、なかなか解決策を見いだせなかったホンダは大胆な施策に出ます。

「コピー製品を認めていっそ正規品として売り出せば三方良し」

つまりコピー製品を正規品と認め責任をもって製造してもらえば、安く作れるしコピー問題も解決するのです。

  • コピー業者側は信頼度を勝ち取れるので売り上げが上がる
  • ホンダはコピー問題が解決する上に、中国でバイクを安く製造できる
  • ユーザーはスーパーカブの正規品が安く買える

この施策で中国でのバイクシェアも掌握し、アジアでの存在感をますます高めた結果となりました。

しかし日本国内から見ると、生産がアジアに移ったため人気が下がった世代でもあります。

第6世代の派生モデル

2013年 クロスカブ▼

ハンターカブともリトルカブとも違う、まったく新しいコンセプトのカブとして登場。

4輪で流行っているSUV的な雰囲気が特徴で、発売後も堅実な人気を獲得し現行でもラインナップされています。

[第7世代] 2017年 スーパーカブ50/110 [アベノミクスが蘇らせた国産カブ]

▲2017年 スーパーカブ50

再び国内生産&製造になり、スーパーカブは日本に帰ってきました。

第6世代で不評だったヘッドライトのデザインを伝統的な丸目に戻し、国内人気も復活。当然最新の規制もクリアしています。

第7世代は「スーパーカブ累計生産台数1億台突破」を記録した記念すべきモデルです。

生産拠点を移したりと紆余曲折ありましたが、1億台生産の節目には昔ながらのスタイルに戻っていたことに運命的なものを感じますね。

2018年にはネオクラシックになった第8世代が発売されますが、第7世代は継続販売されて第8世代と併売されます。

第7世代の派生モデル

2018年 クロスカブ50▼

クロスカブに追加された50ccバージョン。110ccのクロスカブとは違いタイヤが14インチなので、コンパクトで小回りが利くのが特徴です。

リトルカブのクロスオーバーバージョンと表現すればわかりやすいですね。

[第8世代] 2018年 スーパーカブC125 [ネオクラシックという価値]

1958年に発売された初代スーパーカブC100を現代によみがえらせたようなデザインの新世代モデルです。

スーパーカブC125のデザインは今までのカブよりもトラディショナルですが、中身はまったく別物です。

カブの代名詞といえる多くの特徴が普通のロードスポーツの設計に置き換えられていて、スーパーカブC125は「カブであってカブでないバイク」だといえます。

  • ディスクブレーキ
  • キャストホイール
  • テレスコピックフロントフォーク
  • キーレス
  • 灯火系はすべてLED
  • 新世代のギアインジケーター付きメーター

などカブの特徴はほとんど見受けられません。

ホンダのスーパーカブといえば世界一売れた「日常の足に使うバイク」でしたが、近年のネオクラシックブームを受けて、デザイン性に優れた高級新世代カブとして生まれ変わりました。

「いくら125ccでもスーパーカブが税込み44万円は高くない?」と思った人は現車を生で見てください。

現代のホンダの125ccバイクの仕上がりの良さがわかれば、値段がむしろリーズナブルなことがわかるはずですよ。

第8世代の派生モデル

2020年 CT125ハンターカブ▼

トレッキングできるカブことCT125ハンターカブが追加。見た目だけでなくエンジン特性もC125から低速重視に調整したこだわりのモデルです。

2021年 スーパーカブC125▼

新世代C125は早くもモデルチェンジします。

変更点は以下の通りです。

  • エンジンをロングストローク化
  • 圧縮比アップ
  • 0.1馬力アップ
  • 燃費が2.7km/L向上
  • ABSを標準装備
  • 新排ガス規制に対応
  • スマートキーの形状変更

[第9世代は電動化が濃厚] 2023年 カブ イー/Cub e: [日本では未発表]

カブ イーは2023年1月に中国で発表された、中国国内のZ世代(若年層)をターゲットにしたモデル。

中国における電動2輪車のカテゴリーとしては、最高時速が25km/h以下に制限されるEBカテゴリーに該当しています。

中国での発表時は日本市場への導入予定はないとアナウンスされていますが、日本での発売も期待されますね。

2023年2月現在50ccクラスは規制の対応ができず絶滅が危惧されていますが、電動化は原付クラスの救世主となってくれる可能性があります。

スーパーカブの選び方 [基本的に現行モデルが吉]

ここまで歴代の国内外カブを紹介してきましたが、カブは種類が多すぎて結局どれを選べば良いかわからなくなってしまったのではないでしょうか。

結論は現行販売されているスーパーカブを購入すれば問題ありません。

排気量は所持している免許がある限り大きいモデルにするのがおすすめです。しかし4輪免許や原付免許しか持ってない人は、50ccのカブでも十分楽しめますよ。

おすすめ車種は維持の手間がかからないように、比較的新しい日本国内モデルから紹介します。

125ccクラスのおすすめスーパーカブ

まずは125ccクラスから4車種を紹介します。

メインのバイクにも良いですし、ファミリーバイク特約が使えるのでセカンドバイクにもおすすめですよ。

[まるで高級セダン]スーパーカブC125(2018年~現行)▼

カブであってカブらしくないほどの高級感のC125は、ベテランライダーなら値段以上の価値を感じられるはずです。

[まるでランドクルーザー]CT125ハンターカブ(2020年~現行)▼

時代が変わっても人気が落ちないトヨタのランドクルーザーのように、地球上のすべての道をカバーできるカブ。行動派の人におすすめしたい一台です。

[現代のスタンダード]スーパーカブ110(2009年~現行)▼

原付のメインクラスになりつつある125ccクラスのスタンダード。免許がない人もこの機会に免許ごと手に入れるのはいかがでしょうか。

現代のスタンダードカブといえる一台です。

[流行りのSUVテイスト]クロスカブ110(2013年~現行)▼

4輪と同じくバイクにもSUVの波が来ています。

「オフロード車はちょっと大げさだけど足長のバイクの方が運転しやすいから好き」そんな人におすすめしたいモデルです。

50ccクラスのおすすめスーパーカブ

最後に50ccクラスのカブを3車種紹介します。 4輪の免許を持っていれば運転できる排気量で、昔からのスタンダードな原付カブを味わえます。

[ザ・スタンダード]スーパーカブ50(1981年~現行)▼

今も昔も変わらない魅力を味わえる、カブの中のカブといえるスタンダードな一台。

[気軽なSUV]クロスカブ50(2018年~現行)▼

50ccながら個性を表現したい「普通すぎるのはつまらない人」におすすめ。 上記の画像は特別モデルのくまモンバージョンです。

[オシャレ派ご用達]リトルカブ(1997年~2017年)▼

新車ではもう手に入りませんが、オシャレで取り回しがしやすいモデルです。小柄な人や女性には特におすすめですよ。

乗り換え時には今のバイクを高く売るのも重要

今回はスーパーカブシリーズについて、中古相場や歴史、ユーザーの評判をお伝えしました。

乗り換えを検討してる方は是非参考にしてみて下さい。

ちなみに乗り換えをする際は、今のバイクをいかに高く売るかも重要ですよね?

カチエックスなら写真だけで全国のバイク業者から入札が入るので、手間なく最高額で売却が可能です。

バイクは基本的に保管してるだけでも価格が下がって行くので、一番高く売れる今のタイミングを逃さないようにしましょう。

価格に納得できなければキャンセルも可能ですので、まずはお気軽にお申込みしてみて下さいね。

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【この記事を書いたライター】よしのパパ