キャッチコピーは「サーキット性能ナンバー1」
カワサキのフラッグシップスーパースポーツの役目を背負ったZX-10Rは2004年に発売されました。
今回は2013年と2015〜2020年の計7回もスーパーバイク世界選手権シリーズチャンピオンに輝いた、カワサキのリッタースーパースポーツZX-10Rの魅力を解説していきます。
この記事を読み終わった頃にはZX-10Rが欲しくなっているはずですよ。
中古相場や歴史や評判なども紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
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Ninja ZX-10Rとは?
ZX-10Rは2004年からカワサキが発売しているリッタースーパースポーツです。
初代モデルからパワーウエイトレシオ1を達成したバイクとして話題になりました。
※パワーウエイトレシオとは、車重÷馬力で算出する数値のこと。数値が小さい方が一般的に加速性能が高くなる
パワーウェイトレシオ1のバイクは多くなく、2以上のバイクが大半なので、ZX-10Rはかなり加速に優れたバイクということですね。
2000年以降は国産4メーカーや海外各社から多くのリッターSSが発売されましたが、その中でもZX-10Rは最もレースで好成績を上げたマシンだと言えます。
スーパーバイク世界選手権6連覇の世界最強リッターSS
2011年に発売されたZX1000J型が2013年にカワサキ初のWSBKワールドチャンピオンに輝きます。
さらに2015〜2020年までの間に6連覇を成し遂げていて、現時点世界最強のリッターSSとして君臨。
スーパーバイク世界選手権(WSBK)とは市販車ベースで戦う世界選手権で、日本で人気のバイクのレース[MotoGP]とは全く別のものです。
スーパーバイクは日本戦がない上に地上波の放送がないので日本国内では知名度が低いのですが、海外での人気はMotoGPと同じか国によってはWSBKの方が人気なほど。
WSBKとMotoGPの違いを分かりやすく比べると下記の通りです。
MotoGPとは、プロトタイプのレース専用モデルを開発し戦うレースです。つまり市販されていないレース専用車種で戦う世界選手権で、4輪のF1のようなものだと言えばわかりやすいはず。
対してスーパーバイク世界選手権(WSBK)とは、市販されている車両をベースに認められた改造範囲内で戦うレースです。4輪でいえば世界規模でGT500が開催されているようなものです。
レースで強すぎるので次々にハンデが課せられた
連覇の間にはZX-10Rが強すぎてレースが面白くないという理由から多くのハンデが課せられました。
- ZX-10Rだけエンジン回転数を600rpm低く設定
- 変則リバースグリッド制を導入
運営サイドはとにかく強すぎるZX-10Rが勝てないようにルールを調整します。
それでも連覇を続けるZX-10Rは、2021年にフルモデルチェンジして最高回転数が上がった新型エンジンを投入。
レース運営側は新型エンジンに対して「変更した部品点数が少ないから新型エンジンとは認めない」 「だからエンジン回転数は旧型から据え置く」という判断で新型ZX-10Rは本来の性能を発揮しきれませんでした。
結果的に2021年シーズンはヤマハに王座を明け渡してしまい、ZX-10RはWSBKの7連覇を達成できませんでした。
運営サイドの「こんなのほとんど言いがかりでしょ」といえるような対応で連覇は途絶えましたが、ルールにテコ入れが入るほどZX-10Rは強すぎたマシンなのです。
完成されたバイクだからモデルチェンジでも仕様を変えない
連覇をした後のZX-10Rには印象的なエピソードがあります。
「2021年のフルモデルチェンジは全体的に微調整しただけで大きく仕様を変えなかったけど、理由は?」というジャーナリストの質問に対するカワサキはこう答えます。
「WSBKの6連覇を成し遂げたジョナサン・レイ選手が『ZX-10Rはもう完成しているからどこも変えないでいいよ』と言ったから」。
普通ならフルモデルチェンジには「目立つ進化」を取り入れて新しさをアピールして販売に繋げるものですが、あえて「あまり変えていない」とアピールするところが「ZX-10Rは完璧な性能を持ったリッターSSである」というカワサキの自信の現れですね。
Ninja ZX-10Rの新車価格とスペック
(スペックは2021年式KRTエディションのもの)
型式 | 8BL-ZXT02L |
---|---|
メーカー希望小売価格 | 2,299,000円 |
カラー | ライムグリーン×エボニー |
全長(mm) | 2085 |
全幅(mm) | 750 |
全高(mm) | 1185 |
シート高(mm) | 835 |
車両重量(kg) | 207 |
総排気量(cc) | 998 |
最高出力 | 203PS/13,200rpm |
最大トルク | 11.7kgf・m/11,400rpm |
エンジン形式 | 水冷・4ストローク・並列4気筒・DOHC |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
燃料タンク容量 (L) | 17 |
Ninja ZX-10Rの中古相場
モデルケース | 中古価格 |
---|---|
① 10604km 2004年式 ZX1000C型 | 628,000円 |
② 10925km 2011年式 ZX1000J/K型 | 1,230,000円 |
③ 11017km 2016年式 ZX1000R型 | 1,650,000円 |
④ 12863km 2019年式 ZX1002E型 | 1,799,000円 |
走行距離1万キロくらいで中古価格を型式別に比較したところ、2010年以降のモデルは高い相場でキープされてることが分かりました。
ただ、今の洗練されたデザインになったのは2016年ごろからなので、数十万円の差はありますが買うなら2016年以降のモデルがおすすめですね。
Ninja ZX-10Rの評判・口コミ
ここからはZX-10Rに乗っている人から聞いた口コミをご紹介していきます。
ちなみに90%が中古での購入で、平均購入価格は101万円という結果でした。回答いただいた全ての方が「買って良かった」と答えています。
性能についての評価
座り心地 | 3.7 |
---|---|
積載性 | 3.2 |
風の抵抗 | 3.7 |
走行性能 | 4.7 |
取り回し | 3.4 |
ZX-10Rはやはり圧倒的な走行性能に高評価が集まってましたね。
一方で積載性はあまり良くなかったですが、そもそもたくさん荷物を持ってツーリングするバイクではないので気にしなくても良さそうです。
実際の燃費は17km/Lほどであまり良いとは言えませんね。
足つきは165cmくらいだとまずまず、170cm以上であれば結構良いという評価でした。
良い評判・口コミ
見た目ががっちりしている割には燃費は良い方だと思います。カーブに際しては柔軟な走りが可能で乗り心地が良かったです。(男性、30代、173cm)
軽く取り回しがしやすいです。また、想像以上にパワーがあり驚きました。低速域でも乗りやすいので初めての方でも安心して乗れます。(男性、30代、165cm)
スタイルの良さが一番。それと軽量なのに、大変速いことです。ストイックさが漂っていて、それでいて日常使いもできるところが良いです。(男性、30代、172cm)
軽くて取り回しが良いところやパワフルな走り、洗練されたデザインなどに高評価ですね。
普段使いにもレースで使いたい場合もマルチに適用できるバイクです。
イマイチな評判・口コミ
シートが硬いので長時間乗っているとお尻が痛くなりますし、段差などでは衝撃が強いのは気になりました。(男性。40代、173cm)
積載性については厳しい評価になります。ただETCと車検証,自賠責の証書が積めれば良しでしょう。それと燃費ももう少し上がると助かります。(男性、30代、172cm)
文句をいうレベルではないですが、敷いていうと、シートがやや固めです。長時間運転だとお尻が疲れると思います。(男性、30代、173cm)
シートが硬いという意見があり、長時間や長距離をツーリングするのはどちらかと言うと不向きです。
また、用途が違うので正直気にする必要はありませんが、ツアラーのように積載性は良くないので、最低限の荷物にする必要がありますね。
- カッコいいSSに乗りたい
- とにかく走りの良いバイクに乗りたい
Ninja ZX-10Rのカスタム
ここからはZX-10Rのオススメなカスタマイズを紹介していきます。
ノーマルでも完成された性能のZX-10Rはカスタムしないといけないところはほぼ見当たりませんが、焼け色の美しいマフラーはぜひ導入したいところ。
ハンドルやバックステップなどポジションを変更するカスタムはあまりおすすめしません。スポーツバイクほど荷重位置が重要で下手に変更しない方が良いからです。
軽量化できるマフラー関係とハンドリングが変わるタイヤの銘柄変更などが、ZX-10Rの魅力を損なわずに楽しめるカスタムだと言えます。
ZX-10Rの代表的なカスタム事例
初めから完成度が高いマシンなのでマフラー、スライダー、タイヤなど交換するカスタムが主流です。
ZX-10Rの代表的なカスタムパーツ
ここからはパーツごとにおすすめのカスタムパーツを紹介します。
フルエキゾーストマフラー
オオニシヒートマジック製 販売価格¥258,500(税込)
- サイレンサータイプ
- MF TITANIUM 楕円
- DTサイレンサー
- リベットリング付き
- φ120×φ100×300mm
- 差し込み径 φ60.5
- インナー径 φ50.8
- 焼き色有り
焼け色が美しいフルエキタイプのマフラーです。
スポーツタイヤ
タイヤは立派なカスタムパーツです。
上記の画像は、ピレリ製ディアブロロッソコルサで峠からサーキットのスポーツ走行までカバーするとても優秀なタイヤです。
ピレリ製タイヤが特に優れているところは、トレッド(路面に設置する部分)が良くしなってタイヤ全体で路面を受け止めてくれるところです。
タイヤ表面のコンパウンドに頼らないので、
- 直線を走っているだけでもタイヤサイドまで温まる
- 耐久性が高い
- グリップ感がわかりやすい
- 空気圧調整で好みのハンドリングに調整しやすい
など多くのメリットがあるので、タイヤ選びで迷ったらピレリ製をおすすめします。
国産タイヤとの価格差がほとんどないのも大きな魅力ですよ。
ZX-10Rの歴史・系譜
ここからはZX-10Rの進化の歴史を解説していきます。
1998年 ZX-9R(ZX900C)
ZX-10Rが発売される以前はZX-9Rがカワサキのスーパースポーツのフラッグシップでした。
ZX-9Rはカリカリのスーパースポーツというよりも、ZZRとZXRの良いとこ取りを狙ったマシンで「ツーリングや街中からサーキットまで幅広く使えるスーパースポーツ」がコンセプト。
しかし1990年代後半からの大型バイクは
- 軽量
- ハイパワー
- コンパクト
が流行り、スズキからGSX-R750が、ホンダからはCBR900RRが発売されていました。
負けられないカワサキはZX-9Rのコンセプトを軽量スーパースポーツとしてモデルチェンジを行い、ZX900C型は先代から32kgも軽量化。
もはや同じモデルとは言えないほど別物のマシンとなっています。
ZX-9Rは軽量の大型スーパースポーツに進化しましたがツーリングユーザーを完全に切り捨てておらず、クラブバーを残しているところからまだストリートにも主軸を置いていることがわかります。
ZX-9Rはまだ完全にスポーツに全振りしてはいなかったのですね。
愛好家はZX-9Rを「ユメタマ」と呼ぶ
今でもZX-9Rの愛好家は多く、ZX-9Rを【ユメタマ】と呼ぶことがファンの証です。
ユメタマの由来はZX-9Rの文字の形がカタカナの"ユメタマ"に似ているから。
ZX-9Rは見た目よりもオールマイティーで懐の深いマシンなので、一気に軽量化が進んだZX900C型も誰にでもオススメできる優等生SSでした。
この後2004年にデビューするZX-10Rは、ZX-9Rのクラブバーに感じるストリートユースへの配慮を完全に忘れたカリカリな完全レース志向モデルとして開発されます。
2004年 ZX-10R(ZX1000C)
世界的に高まってきたリッタースーパースポーツの需要と、スーパーバイクのレギュレーションが750ccから1000ccになったことにより誕生した初代ZX-10R。
カワサキは1000cc以上の超大型バイクを得意としていたメーカーなので、ライバル車と比べてリッタースーパースポーツに参入したのは一番最後でした。
最後発な上に挑戦者である漢カワサキが作ったリッタースーパースポーツの処女作なだけあり、ZX1000C型はすごい内容。
- パワーウェイトレシオ0.98(乾燥重量換算)
- ラジアルブレーキキャリパー
- バックトルクリミッター
- バックボーンフレーム
- 倍速ジェネレーター
- MotoGPマシンと同じラムエアダクト
- 空力とデザイン性を兼ね備えたビルトインウインカー
ライバルメーカーとは違うアプローチで市場をあっと言わせるような特徴が目白押しのマシンでした。
初代ZX-10Rは初心者におすすめできない玄人向けマシン
ZX1000C型はセンセーショナルなデビューを飾りましたが「軽量ハイパワーだけどハンドリングが荒削りなので、初心者に扱いが難しい」という評価でした。
筆者もZX1000C型に乗ったことがありますが、とても初心者向けとは言えないマシンだと感じましたね。
フレンドリーではないと感じるのは下記の部分です。
- ポジションが大柄
- 硬質感のあるフレーム
- 固めのサスペンション
- 立ちの強いハンドリング
- ハイパワーすぎる荒々しいエンジン
初代ZX1000C型はまだまだ完成されたSSではありませんが「サーキット性能ナンバー1」を目指して進化していき、2013年には世界チャンピオンになるマシン。
今からZX1000C型に乗ってみると、王者の可能性を感じるはずですよ。
2006年 ZX-10R(ZX1000D)
2代目に進化したZX1000D型の一番の変更点はセンターアップマフラーの採用です。
2006年は各ライバルメーカーはこぞってセンターアップマフラーを採用していました。
▼2006年式 YZF-R1
▼2006年式 CBR1000RR
▼2006年式 999 ビポスト
結果的にデザインを流行りに合わせたモデルチェンジになってしまったので、ZX1000D型はカワサキらしくないとの評価。デザインも初代と比べると曲線が多くマイルドになり一般的に受け入れやすい形を狙っていると言えます。
初代が初心者向けでなかったため「ZX-10Rはエキスパート向きで一般の人は乗りこなせない」というイメージがついてしまいました。
このままでは販売に影響するという懸念から、ニュートラルで乗りやすいリッタースーパースポーツに調整されたのが2代目ZX-10Rです。
結果は「玄人向きのマシン」というイメージは払拭できず、次のモデルチェンジでは反動で初代よりさらにエキスパート向きのマシンに進化します。
2008年 ZX-10R(ZX1000E)
3代目に進化したZX1000E型の大きな変更点は下記の通りです。
- カウルとウインカーデザイン変更
- センターアップマフラーの廃止
- 188psにパワーアップ(ラムエア加圧無しで)
2代目のD型は初代がつけた「エキスパート向けのリッタースーパースポーツ」というイメージを払拭できなかったモデル。
3代目のE型はD型の教訓を活かして初代以上にレース志向を強めたモデルへと進化。分かりやすく言えばレース用タイヤを履いたときに一番性能を発揮する完全レース志向の設計になりました。
- 潔いほど低回転域を捨てた高回転域でパワーが炸裂するエンジン
- スイングアームの形状を変更し剛性を大幅アップ
- フロントフォークのインナーチューブにダイヤモンドコーティング
- 高荷重設定のフレームでしっかり荷重を乗せないと曲がらない
E型は初代よりもさらに上級者向けの味付けで一般ユーザーに受け入れられませんでしたが、レースで使うエキスパートユーザーには非常に高く評価されました。
ZX1000E型までのZX-10Rはまだ過渡期
2008年までにはC型D型E型と3世代のZX-10Rがありますが、モデルチェンジのたびにコンセプトがガラッと変わるのでまだマシンの方向性が定まっていませんね。
しかしこの後のJ型から、一気に現在のZX-10Rらしいお手本のようなリッターSSに進化するのです。
2011年 ZX-10R(ZX1000J)
車体の設計が大きく変わったZX1000J型はカワサキ史上初のWSBKワールドチャンピオンに輝いたモデル。一番の売りはラムエア加圧なしでも最高出力200馬力にパワーアップしたことでした。
初代は乾燥重量でパワーウェイトレシオ1以下を実現しましたが、ZX1000J型は装備重量でパワーウェイト1以下を達成して市販車随一のモンスターマシンになりました。
ほかにも変更点は多数ありますが、大雑把に言えば普通のリッターSSに変身したモデルチェンジです。
例えばZX1000J型より前のZX-10Rはフレームがバックボーンタイプでしたが、J型からはライバル車と同じツインスパーフレームを採用しているところなどです。
完全レース志向のマシンであることは先代から変わりはありませんが、J型からは乗りやすさを重視する設計になっています。
ただライバルマシンと肩を並べただけではなく、挑戦者カワサキらしい一面も。
ZX1000J型はリアサスペンションが水平に配置されており、一般的にサスやリンクがあるところにマフラーの膨張室を設置しました。
この設計によって膨張室の容量を大きく確保できることにより重心から遠くて重いサイレンサーを軽くできるので、ライバルメーカーよりもスポーツ性能が高いマシンになりました。
ZX1000J型は2013年に悲願のスーパーバイクチャンピオンに輝く!
J型がデビューしてから2年後の2013年に、ZX-10Rはカワサキ史上初のWSBKのワールドチャンピオンに輝きます。
初代マシンのコンセプトである「サーキット性能ナンバーワン」というキャッチコピーを、約10年かけてついに実現した記念すべき瞬間。
しかも2015年からはさらに6連覇という偉業を成し遂げていくのです。
2016年 ZX-10R(ZX1000R)
一気に電動電脳化が進んだZX1000R型の変更点は多く、
- トラクションコントロール
- ウイリーコントロール
- クイックシフター(シフトアップのみ)
- SHOWA製バランスフリーフロントフォーク
- ボッシュ製IMU
- チタン製サイレンサー
などマシン全体に変更が入り、チャンピオンマシンとしてさらに抜かりない性能になりました。
R型がデビューする前年の2015年からスーパーバイクのチャンピオンを獲得していましたが、R型はデビューイヤーでチャンピオンを獲得した上に2020年まで6連覇達成。
まさに負けなし最強のリッタースーパースポーツとして黄金期を謳歌していますね。
2018年に鈴鹿8耐にワークス参戦
2018年には鈴鹿8耐にほぼワークス体制でチームグリーンからZX-10Rが参戦したので、バイク業界は騒然。
なぜなら2018年の鈴鹿8耐は、
- 4連覇を目指すヤマハワークス
- 鈴鹿8耐にワークスで参戦するのは消極的だが、ヤマハ4連覇だけは防がねばならないので重い腰を上げたホンダワークスHRC
の大手2チームの争いが注目されていました。
この2大メーカーチームの対決だけでも面白いのに、カワサキがセミワークス体制で参戦するとなったら話題になるのも当然。
チームグリーンのレース結果は3位でしたが、翌年2019年には念願の総合優勝を成し遂げます。
カワサキワークス体制での鈴鹿8耐としては26年ぶりの総合優勝で、ZX-10Rがいかに優れたリッタースーパースポーツであるかを日本国内でも証明した結果となりましたね。
2019年 ZX-10R(ZX1002E)
スーパーバイクのチャンピオンを連覇している王者ZX-10Rが、再びフルモデルチェンジしZX1002E型に進化しました。
以前までのモデルはすべて逆輸入車のみで日本仕様はありませんでしたが、2019年モデルからは正式に日本国内モデルが導入開始。
以前までの日本仕様のように逆輸入仕様から大幅にパワーダウンすることなく、フルパワーのまま販売されたのでファンはうれしい限りですね。
旧型からの変更点は以下の通り。
- 馬力が203馬力にパワーアップ
- クイックシフターがアップダウン両方に対応
- 自己修復機能がついた新開発塗装ハイリーデュラブルペイントを採用
ハイリーデュラブルペイントとは、細かい擦り傷程度であれば一週間程度で自己修復してしまう新時代の凄い塗装です。
ZX1002E型からスタンダード・RR・SEの3グレード展開
ZX1002E型からは標準モデルとは別に2つのレース用ホモロゲーションモデルをラインナップしています。
▼ZX-10RR 引用元
- チタンコンロッド採用で1psアップの204ps
- マルケジーニホイールを採用
▼ZX-10R SE 引用元
- 電子制御サスペンション
- マルケジーニホイールを採用
ZX1002E型はあえてデザインを変更しなかった
ZX1002E型の一番凄いところは、フルモデルチェンジなのにデザインが変わっていないところです。
ZX1002E型はエンジンのバルブの駆動方式を直圧式からフィンガーフォロワー式に変更していて、パワーアップした代わりにかなりのコストアップもしています。
新しくなったエンジンに合わせてマシンのデザインも新しくしたいところですが、あえてデザインは据え置き。
ZX-10Rはチャンピオンマシンなのだから「デザインを商業的に変える」という後ろ向きな変更を良しとしないのです。
メーカーとしての自信あふれる姿勢に、ファンはさらに引き付けられるはず。
2021年ZX-10R(ZX1002L)
デザインを変更し生まれ変わったZX1002L型は、先代から仕様を多く変更していますがすべて細かい調整にとどまっています。
- ホイールベース10mm延長
- 足回りのセッティング変更
- ギア比変更
- ライディングポジションの変更
- ウィングレットが内蔵されたカウル
- 電装周りのデザイン変更
- クルーズコントロール採用
- 電子制御系をアップデート
- スマホとの連携機能を備えたTFT液晶タイプのメーターに変更
ZX1002L型はデザインを変更するもあえて中身を大きく変えなかった
細かな変更点は多くありますが、基本的には先代モデル同様、デザイン以外には目立った大きな変更点はありません。
フルモデルチェンジなのに大きな変更点がないのには、前述したようにジョナサン・レイ選手の助言があったからです。
2015年から2020年の間にカワサキ史上初の6連覇を成し遂げていて、カワサキとの圧倒的な信頼感があるジョナサン・レイ選手が「ZX-10Rは完成したマシンだから変えないで」とコメント。その結果、カワサキはZX-10Rを大きく仕様変更しなかったのです。
ライバルメーカーがこぞってカウルの外側にウイングレットを採用しているのに、カワサキはあえてカウルの内側にウィングレットを内蔵させたところにも漢カワサキの独自のこだわりが感じられます。
「ウチはほかのメーカーと同じことはしないぞ」というカワサキの姿勢にファンはますますZX-10Rのとりこになっていくことでしょうね。
歴代ZX-10Rでは2011年より後のモデルがおすすめ
ZX-10Rは2004年から現在まで長い系譜があるロングセラーSSですが、いまから買う人は下記を参考にしてみてください。
- 乗りやすさも兼ね備えた最強のスーパースポーツが欲しい人は、2011年以降のモデル
- 気難しいところもあるがとにかく個性が強いマシンが欲しい人は、2004年~2010年モデル
つまり普通の人は2011年以降のモデルがおすすめで、腕に自信がある人であえて難しいマシンにチャレンジしたい人は2004〜2010年のモデルがおすすめということです。
ZX-10Rに興味がわいてきた人は参考にしてくださいね。
乗り換え時には今のバイクを高く売るのも重要
今回はZX-10Rについて、中古相場や歴史、ユーザーの評判をお伝えしました。
乗り換えを検討してる方は是非参考にしてみて下さい。
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