2017年、カワサキが発売したZ900RSは、特定非営利活動法人日本自動車殿堂の歴史遺産車に登録された名車Z1とZ2の後継とも言うべきモデルです。
精悍なルックスに、現代に最適化されたエンジン、車体、電子制御デバイスなどを加え、快適な乗り心地や扱いやすさも実現。
今回はそんなZ900RSを「ぜひ買いたい!」という方のために、中古相場の推移や歴史をお伝えしていきます。
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Z900RSとは歴史的名車の魂を受け継ぐバイク
Z900RSはカワサキが発売したネイキッドバイク。
カワサキが誇る名車Z1とZ2の系譜の正統後継車ですね。
デザイン性だけではなくハンドリングの良さも光り、街乗りでも峠でも快適な乗り心地を実現しました。
2022年に発売された50周年モデルは、買いたい人で予約が殺到。カチエックスでも高額で取引されています。
↓
Z900RSの取引実績を見る
常に話題を巻き起こす人気バイクです。
Z900RSの現行モデルの新車価格とスペック・諸元
2018年、2019年とベストセラーに輝いたZ900RSの現行車は、通常モデルのZ900RSとZ900RS CAFEは2021年9月に発売。50th AnniversaryとSE(スペシャルエディション)は2022年に発売されています。 →カワサキの公式サイト
タイプ・グレード | Z900RS | Z900RS 50th Anniversary | Z900RS CAFE | Z900RS SE |
---|---|---|---|---|
参考新車価格(税込) | 1,386,000円 | 1,496,000円 | 1,419,000円 | 1,606,000円 |
カラー | キャンディートーンブルー メタリックディアブロブラック | キャンディダイヤモンドブラウン | メタリックディアブロブラック | メタリックディアブロブラック |
全長 | 2,100mm | 2,100mm | 2,100mm | 2,100mm |
全幅 | 865mm | 865mm | 845mm | 865mm |
全高 | 1,150mm | 1,150mm | 1,190mm | 1,150mm |
車両重量 | 215kg | 217kg | 217kg | 215kg |
シートの高さ | 800mm | 800mm | 810mm | 820mm |
最高出力(馬力) | 82kW(111PS)/8,500rpm | 82kW(111PS)/8,500rpm | 82kW(111PS)/8,500rpm | 82kW(111PS)/8,500rpm |
最大トルク | 98N・m/6,500rpm | 98N・m/6,500rpm | 98N・m/6,500rpm | 98N・m/6,500rpm |
エンジン形式 | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ |
燃費/L | 28.5km/l(60km走行時) 20.0km/l(WMTCモード値) | 28.5km/l(60km走行時) 20.0km/l(WMTCモード値) | 28.5km/l(60km走行時) 20.0km/l(WMTCモード値) | 28.5km/l(60km走行時) 20.0km/l(WMTCモード値) |
タンク容量 | 17L | 17L | 17L | 17L |
生産終了はいつ?
結論から言えば、Z900RSの生産終了に関する話はまだ出ていません。
ただ、2024年にEURO6、2030年にEURO7の新しい排ガス規制の予定がされており、バイク業界にも動きが起こると予想されます。
排ガス規制のタイミングでSR400なども生産終了になっていると考えると、2024年、2030年付近にZ900RSの生産終了のニュースが出る可能性はありますね。
Z900RSの中古相場の推移
Z900RSの中古相場の推移をお伝えしていきます。
Z900RSの値上がり状況と価格推移
2022年11月時点のZ900RSの平均中古価格は約174.9万円です。
2021年1月の約137万円から比較すると38万円ほど上がっていますが、2022年11月の約185万円を境に落ち着いてきている状態です。2022年9月に新型モデルが発売されたことで平均中古価格は少しづつ落ち着き始めています。
50周年モデルの「火の玉カラー」は、通常モデルよりも10万円くらい中古価格が高くなることが多い印象です。
Z900RS CAFEの値上がり状況と価格推移
Z900RS CAFEの2022年11月時点での平均中古価格は約162万円です。
2021年1月と比較すると34万円ほど平均中古価格が上がっています。
こちらもZ900RS同様に2021年11月の約177万円をピークに少しずつ下落しています。今後も緩やかに下降する可能性はあります。
このように、Z900RSの中古相場は2021年後半を境に少しずつ落ち着いてきています。
新車の供給が復活すると中古価格は下がってくるので、買いたい人はもう少し待ち、高く売りたい人はなるべく早く行動を起こすのが良いでしょう。
カチエックスではZ900RSの取引実績が多数あるので、乗り換えや売却をご検討の方はぜひご利用下さい。
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【無料】査定スタートZ900RSの歴史
ここからはZの意志を継ぐもの「Z900RS」の歴史を振り返っていきます。
1973年 900 SUPER FOUR(通称Z1) Z伝説の始まり
Z1の愛称で呼ばれる900 SUPER4。
車名の“Z”は「最高にして最後のもの」という意味から、アルファベットの最後の文字が与えられたことに由来します。
カワサキはアメリカで圧倒的な加速とハイパワーで人気だった2ストロークエンジン搭載モデル「500 MACH III」に代わる大排気量車として、4ストローク4気筒エンジン搭載モデルの開発をスタート。
500 MACH IIIが実現したパフォーマンスとスタイリングをはるかに超える「究極」を目指したのがZ1ったのです。
903ccという排気量を持ち、当時は世界最速バイクとして君臨しました。
当時、日本国内では750ccまでしか販売できなかったため「Z1」は海外のみの展開。
余談ですが、カワサキでは当時、新開発車にステーキ名を付けていました。そのためZ1はアメリカで「特大」を意味するニューヨークステーキの愛称が付けられました。
当時の販売価格は約571,500円(1895$/1$≒301.5円)ですが、現在では1000万円を超える価格で中古市場で取引されている希少なバイクです。
Zの歴史はここから始まりました。
1973年 750RS(通称Z2) 国内向けZの元祖
「Z」を方う上で「Z2」も忘れてはいけません。「ゼッツー」の愛称でお馴染みの「750RS(ロードスター)」です。
Z1は排気量が国内で販売できる仕様ではなかったため、国内仕様になって発売されたのがZ2(ゼッツー)でした。
市販車初のDOHC750ccで速さも当時では国内最速。
さらにはZ1顔負けの端正なルックスも相まって爆発的にヒットしました。
「排気量は落としても性能は落としたくない」という開発者のコメントもあるように、Z2はデザインだけでなく、性能面でも優れたバイク。
Z2の当時の販売価格は418,000円ですが、Z1同様に中古市場で価格が爆上がりしており、1000万円以上で取引されることもしばしば。
Z900RSの歴史を語る上では外せない存在です。
1974年 Z1A
参照元:ウエマツ
1973年8月~1974年7月まで販売されたZ1の二代目です。
- カラーリング
- エンジン点火時期
- 進角特性の変更
- エンジンの黒塗装を廃止
- リアブレーキにブレーキシュー残量インジケーターを新設
- タコメーター内にテール、ストップランプの断線インジケーターを装備
1975年 Z1B
参照元:ウエマツ
1974年8月からZ1の生産終了まで販売された三代目。
- カラーリング
- チェーン給油装置廃止と共にシールチェーン採用
- エンブレムを“900”書体変更
1976年 Z900/KZ900
車名がZ900(KZ900)になり、通称だったZが正式にバイク名として使われるようになりました。
車体番号がZ1F-~なのでZ1の四代目と思われがちですが、Z1はZ1Bまで終了してるので、Z900とZ1は別のバイクです。
Z1と同じデザインにカスタムしてる車体も多いので、購入する際はZ1と間違わないようにしましょう。
- 前輪ダブルディスク化(欧州仕様のみ)
- インジケーターパネル周りのデザイン変更
- バッテリー搭載位置
- エアクリーナーボックスの変更に伴いサイドカバー形状の変更
- サイドカバーエンブレムが(K)Z900へ
- マフラーは外観は同じながら内部構造の変更により静穏化
2017年 Z900RS【名車のスタイルを継承した高性能モデルが登場】
Z1とZ2の流れを正式継承しながらも、エンジンや足回りなどに最新鋭の技術が導入されたZ900RSが2017年12月より発売開始。
Z900RSのコンセプトはカワサキの発表によると「クラシカルな雰囲気に現代の技術を融合させたレトロスポーツ」となっています。
エンジンはカワサキ伝統の並列4気筒を搭載してますが、空冷風のフィン付き水冷エンジンで、伝説の空冷と言われるZ1やZ2とは全く違うもの。デザインはZ1、Z2をベースとしたレトロスポーツですが、性能面は2017年に海外のみで発売されたZ900をベースにしています。
「東京モーターショー2017(2017年10月25日開催)」で初お披露目となったこのバイクは、漢カワサキファンの間で話題騒然となりました。
カラーはキャンディトーンブラウン×キャンディトーンオレンジ(通称:火の玉カラー)とメタリックスパークブラックの2色展開。
※エンジン音はこちらからどうぞ↓
2018年 Z900RS CAFE【カフェレーサー仕様車が登場】
2017年12月発売のZ900RSのカフェレーサー仕様車として、2018年3月に発売。
基本的な構成はZ900RSと同様ながら、ビキニカウルの装備、ローハンドル(黒塗装)の採用、ライダーとパッセンジャーに段差のあるシートの採用、短くなったミラーステーなどにより、レトロ感あふれるカフェレーサールックを手に入れた。
カラーはヴィンテージライムグリーンとパールストームグレーの2色で展開。
2019年 Z900RS CAFE【カラー変更】
パールストームグレーが廃盤になり、メタリックグラファイトグレーとストームクラウドブルーの2色が追加。
2020年 Z900RS【タイガーカラーを彷彿とさせる新色&ABS搭載】
2020年モデルでは新色キャンディトーングリーンが発売されました。
1973年のZ1に設定された「タイガーカラー」を彷彿とさせ、凹凸のない滑らかな表面仕上げがされています。メタリックディアブロブラックでは、ホイールもブラックアウトに。
また本モデルからABS(アンチロックブレーキシステム)を装着し、ETC2.0車載器標準装備になりました。
2020年 Z900RS CAFE【カラーを一新】
前年までの3色が全てなくなり、ヴィンテージライムグリーン×エボニーとファントムブルーに変更。
本モデルからABS(アンチロックブレーキシステム)を装着し、ETC2.0車載器標準装備になりました。
2021年 Z900RS【新色ブラックタイガー登場】
2020年に登場したキャンディートーングリーンに採用されたストライプを、ブラックカラーを使った新色「ブラックタイガー」が登場。
2021年 Z900RS CAFE【シックな新色にチェンジ】
前年に続きカラーチェンジのみでモデルイヤーを重ねました。
今まではストライプカラーでしたが、この年はエボニーという赤錆が浮いてきたようなカラーリングが特徴です。
2022年 Z900RS【カラーチェンジ】
この年も仕様変更はなくカラーチェンジのみ。ベースカラーはキャンディブルーとブラックメタリックの2色で展開。
ブルーは「青玉虫」色と呼ばれる、1975年のZ1をイメージしたカラーとなります。
2022年 Z900RS CAFE【シートがバイカラーに】
この年もカラーチェンジのみ。
シートがブラックとブラウンの2色になり、よりカフェレーサーっぽい見た目になりました。
2022年 Z900RS 50th Anniversary【Z伝説は50年に】
1972年に「Z1」こと900スーパーフォアが発売されてから「50年記念特別仕様車」が発売されました。
Z900RSとしては初期モデル以来となる火の玉カラーを採用。
50周年記念モデルの火の玉カラーは、キャンディカラーを重ね塗りした特別なもの。まばゆい光沢を放っています。
ホイールもゴールドでラグジュアリーな仕様になっており、特別感たっぷり。
サイドカバーのエンブレムには、Z1さながらの「900 DOUBLE OVERHEAD CAMSHAFT」という文字が入り、往年のファンの心をくすぐります。
2022年 Z900RS SE
Z900RSの上級仕様としてZ900RS SE(スペシャルエディション)。
カラーは往年のZシリーズの「イエローボール」、2018年に新発売されたZ900RSで採用されたファイヤーボール(火の玉カラー)を、黄色と黒で再現したものでした。
- オーリンズS46リアショック
- フロントフォークとホイールがゴールドに
- ブレンボM4.32ラジアルマウントモノブロックキャリパー
- フロントブレンボ300mmディスク
- NISSINラジアルマスター17.5mmに小径化(無印は19.1mm)
- ステンレスメッシュブレーキホース
- ラジエターサイドカバー、FIカバーがブラックアルマイトに
- フロントフェンダーステーはブラック仕上げ
- サイドカバーエンブレムのRSの文字はレッド
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【無料】査定スタートZ900RSの評判や感想
Z900RSに乗ったことがある12人のバイクユーザーにアンケートを取り、評判や感想をまとめました。
Z900RSは新車と中古どちらを買った?
Z900RSを所有している人のうち、中古で購入した人が66.7%で、平均購入価格は1,352,500円でした。
半導体不足で新車が買えなかったり、50周年モデルやSEモデルは販売数も限定されていたので、中古で購入する人も多いようでした。
Z900RSは最も古くても2018年式なので、比較的状態の良い車体が多く残っています。中古購入のハードルは低いですよ。
Z900RSをどこで買った?
Z900RSは、正規ディーラーと個人バイク屋で購入した人が多かったです。
中古で購入する場合は、大手のレッドバロンなどよりも、個人のバイク屋に行くケースが多い様ですね。
Z900RSは何年式を買った?
2018、19、21年式がほぼ同比率になりました。
50周年モデルなどの特別仕様が絶対に欲しいケース以外は、中古で2018年、19年式を購入するのも狙い目ですね。
Z900RSは何の用途で使っている?
Z900RSはデザインだけでなく走行性能も高いバイクなので、ツーリングをメインに使う人が最も多いです。
通勤・通学に使う人も一部いましたが、積載性は低いので少ない荷物の方に限定されるでしょう。
Z900RSの良い点、イマイチな点
Z900RSのデザイン性、乗り心地、扱いやすさへの評価は、5点満点中全て4点超えと高かったです。
カッコ良く機能性も高いバイクを探してる方にはピッタリですね。
Z900RSに対する良い感想
デザインがかっこいいところ、乗り心地が良いところがお気に入り。
コーナリングなど走行はとにかく軽快ですし、加速性能も高く特に長距離のツーリングには最適です。
エンジンは4気筒でスムーズでよく回ります。ワインディングが楽しいです。トラクションコントロールも優秀で雨降りでも安心できます。
z2にあこがれていたが本物は買えないからz900rsは今は高いがメンテナンスも楽
王道ネイキッドなルックスと4サウンドが最高、カスタムパーツが豊富
デザインの良さや走行性能の高さに対するコメントが多いですね!
また、王道のネイキッドバイクのデザインを持ちながら、現代に最適化された性能面。カスタムパーツの豊富さなど、痒い所に手が届くバイクとなっています。
Z900RSのイマイチな点
悪いところはあまりないが、値段は高め。パーツも豊富にあるが、いろいろ買ってたら高い
シート下の収納はほぼない、シートがちょっと硬めなのでお尻が痛くなる
燃費が少々悪いかなぁと思います。ツーリング時に出費が重なるのでマイナスです。
通常モデルでも140万円近くするので、金額が高いという声は一部ありましたね。
シートが硬いので、長時間乗っているとお尻が痛くなるという意見もちらほらありました。
ただ、「良いところしかない。カワサキ好きなら買って損はない」と、べた褒めの方もいました笑
もちろん完ぺきではないかもしれませんが、デメリットを補って余りあるメリットがあるのがZ900RSですね。
Z900RSのカスタム事例
Z900RSのカスタム事例をインスタから持ってきました。
素材を生かしたカスタム
ブレンボの赤いキャリパーとナイトロンのミント色のリアサスが効いてるカスタム。
Z900RS 火の玉カラーの素材の良さを生かした、さりげないカスタムがニクイですね!
ブラック×ブラウンが渋いカフェレーサー
カウルスクリーンを純正のものからMRAのスクリーンレーシングスモークに変更したZ900RS CAFEのカスタムモデル。
マフラーもヨシムラのマットブラックなものにチェンジして、全体的に黒と茶で統一してます。渋さがたまりませんね!
ストライカーバックステップで乗りやすさも向上
アメリカンドリームのチタンマフラーにストライカーバックステップをつけたカスタム。
Z900RSは比較的足つきの良いバイクですが、身長が170cm以下くらいの方だと通常のバックステップではふくらはぎが当たりがちです。
バックステップをカスタムして乗りやすさを向上させる人も多いですね!
Z900RSは原型をガラッと変えるような大幅なカスタムではなく、元のデザインを生かしたカスタムが人気ですね。それだけ純正でも完成度の高いバイクと言えるでしょう。
バイク乗り換え前には愛車の価値をチェック
バイク乗り換えを検討するときは、買いたいバイクの販売価格だけでなく、自分の愛車がどれくらい高く売れるかも重要です。
ついついほしいバイクのことばかり考えがちですが、今の愛車を高く評価してもらえれば、実質的には安く乗り換えできることになりますよね?
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